「見る」仕組みを理解して目の健康を守ろう!
目を酷使している現代人には、視力の衰え、ドライアイなど、さまざまな目のトラブルが起こりがち。
目の中の健康も、日頃からしっかりと心がけましょう。
こんな目の不具合が現れていませんか?
-
新聞や本の字が読みにくくなった
-
TVを見た後、目に疲労感が残る
-
PCやスマホをよく使うので目が疲れる
物を認識するための大切な器官
人間にとって目は物を認識する非常に重要な器官です。外から入ってきた光は、角膜や水晶体などを経て網膜で映像として捉えられ、視神経から脳へと情報が送られます。この網膜でもっとも重要な役割を担っているのが、網膜の中心にある「黄斑部 (おうはんぶ)」と呼ばれる部分です。
わずか直径1.5〜2mm程度という黄斑部の主な働きは、物体をはっきりと見るために必要な、形や色、立体感や距離感などを認識することです。この黄斑部はその名のとおり黄色い色素の集合体で、特に「ルテイン」「ゼアキサンチン」という物質が豊富に含まれており、強い抗酸化力を発揮して、水晶体や網膜の酸化を抑えると考えられています。そのため目の健康状態はこれら黄斑色素の濃度によって測られてきました。
しかし黄斑色素は、加齢や光(紫外線・ブルーライト)などにより減少してしまいます。黄斑色素が減少すると、物が見えにくくなる不具合だけでなく、加齢黄斑変性、白内障、網膜疾患などさまざまな疾患のリスクが高まります。
目の構造
目はよくカメラの構造にたとえられます。角膜をとおして入ってきた光は、レンズの役目をする水晶体で屈折し、網膜の中心にある黄斑で像を結びます。そこで映し出された映像が、視神経を経て脳へと伝わります。
「見る健康」のカギはルテイン・ゼアキサンチン
ルテインとゼアキサンチンは、強い抗酸化作用を持つカロテノイドという色素の一種で、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれる成分です。人間の体内器官や皮膚にも存在し、「見る健康」にも重要な働きを果たしています。
ルテインとゼアキサンチンには、光そのものを遮る役割があります。また、光の一部が細胞に達してしまい、細胞が光による酸化ダメージを受ける危険性が生じた場合でも、抗酸化作用によってこれを防止します。ルテインとゼアキサンチンは遮光および抗酸化によって、「光防御における二重ブロック」を行っているのです。さらに、ブルーライトを吸収するという性質を持っています。
人間に対して害を与える光線としては紫外線が有名ですが、ブルーライトは、光線の中でもっとも高いエネルギーを持つもので、細胞に与えるダメージも強力です。紫外線は太陽から照射されますが、ブルーライトは、人工の光に多く含まれています。人工の光、つまり蛍光灯、テレビ、パソコン、ゲームなどに囲まれて生活を送っている現代人は、日常的に高エネルギーの青い光にさらされていることになります。特に目は、外界に対してむきだしの臓器ですから、ブルーライトからのダメージを直接受けることになります。
目の健康のために、パソコンをよく使う方はPC用メガネをかける、目を休ませる、睡眠を十分とるといったことが大切です。またルテインとゼアキサンチンは体内でつくることができませんので、食べものから取り込むしかありません。ルテインとゼアキサンチンを含む野菜を積極的に摂ることを心がけましょう。効率よく摂取するにはサプリメントを上手に利用する方法もあります。
ルテインを多く含む野菜
- ケール
- ほうれん草
- 葉レタス
- グリーンピース
- 芽キャベツ
- 夏カボチャ
- トウモロコシ
- 緑豆