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健康セミナー/健康オープンカレッジ 第2回 (板東 浩 氏)

音楽は人の心と体に働きかけ、 元気づけ、健康にします

音楽は意思伝達とコミュニケーションのはじまり


私はピアニスト兼医者ですが、体も心もきわめて元気、アンチエイジングを実践していると自負しております。さて今日は、心と身体のアンチエイジングについて、そして音楽療法、芸術療法について話を進めようと思います。まず、音楽の「樂(旧字)」という字を見てください。この字には「楽しい」とか「楽な」という意味があるように、音楽療法は「心を活性化させる」目的と意味が込められています。
私は音楽療法士でもありまして、お年寄りや心身障害者の施設で、セッションや演奏をして音楽療法を実践しています。
40~50分も続けていると皆さんの表情がみるみる変わってきます。生き生きとして表情が華やいでくるのです。音楽というのは、実はコミュニケーション。音楽を通して、お互いの言葉のキャッチボールをしているのです。
さて、音楽には、三つの要素が含まれています。「生理的機能」「心理的機能」「社会的機能」の三つですが、生理的機能は、頭が刺激されて元気になる、アンチエイジング。次に心理的機能は、直接情動に働きかけること。心に響いてグッと揺さぶってくれる。心には揺らぎがあって、感動するのは心が動かされることなのです。社会的機能は、人間と人間のコミュニケーションとしての役割とでもいいましょうか。
これらの要素が相乗的な効果を発揮して人の心に働きかけ、刺激し高揚させ、体にも良い影響を与えるわけです。ですから音楽を耳にすることで、青春時代を思い出したり、あるいは認知症の方でも頭と心が刺激されて、思いがけないくらい元気になったりします。心と体の作用は不思議につながっています。低い波長の音を耳にすると、人は心が沈んできたり、落ち着いてきたりします。一方、高い波長の音を聞くと、テンションも上がり、元気が出てきます。音楽の社会的機能とはこれらを最大限生かした考え方で、皆でわいわいとカラオケボックスでパーティーをすると、いやが上にも興奮しテンションが上がりますよね。つまり音楽や芸術を治療に利用すれば、想像以上の効果が期待できるというわけです。


3人に1人はうつ病圏内、「要注意」です!


将来、世界中にうつ病が広がるといわれています。うつ病には、不安、あせり、憂鬱、いらいら、億劫などが症状として現れますが、実は皆さんに覚えていてほしいのは、うつは体にも症状が現れるということ。ふらつき、めまい、息切れ、吐き気など、また睡眠障害、食欲低下、体重減少、性欲減退、自律神経症状、これらの症状がでてきたらうつ病の可能性がありますね。現在は3人に1人はうつ病圏内といわれています。自分はうつ病とは関係ない!とは決して思わないでください。とくに良心的な人、几帳面な人、人に気を遣う人、そして仕事も一生懸命な人は気をつけてくださいね。


「揺らぎ」が心と体のすべての問題を解決します


心の安らぎ、癒し、気持ちよさ、快適さ、ほどほど、中途半端、無理をしない、良い塩梅・・・、私たちの生活には、「揺らぎ」が存在します。そして心電図で調べると、正常な体そのものにも揺らぎはあります。息を吸ったり吐いたりするときも揺らぎが微妙に体に働きかけ、バランスを取っているのがわかります。この揺らぎは安らぎや癒し、気持ちよさや快適さを維持、コントロールし、幸福感やリラックス効果をもたらしてくれます。また揺らぎとは整然と混沌・乱雑のはざまにある微妙な存在ともいえます。たとえばメトロノームの規則的に刻んだ音だけでは面白みにかけます。規則的なものと不規則なもの、予測性と意外性、これがいちばん気持ちいい揺らぎなのです。
今、私たちは心のバランスを維持し上手にコントロールしなくてならない時代にあって、「心の揺らぎ」こそ大切にしなくてはならない「処方箋」かもしれません。
良いものを良いと感じる、素直な芸術鑑賞の中にも、心のバランスを維持してくれる揺らぎが含まれています。たとえば良寛の書などはまるみをおびていて、何ともいえずおおらかでよいですね。良寛のようにまるみのある心を持ちたいものですね。

日本抗加齢医学会評議員 日本音楽療法学会評議員板東 浩(ばんどう ひろし)氏
健康セミナー/健康オープンカレッジ 第2回 (板東 浩 氏)

医学博士、日本音楽療法学会第9回学術大会長(2009年9月)、音楽療法士、徳島大学を卒業後、ECFMG資格を取得し、米国のレジデンシープログラムで臨床研修。帰国後は徳島大学系内科講師、徳島大学非常勤講師として糖尿病の診療や講義、糖尿病教育、抗加齢医学の研究に取り組む。

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