- トップページ
- 東日本大震災 関連情報のご案内
- 放射線と健康について
福島第一原子力発電所の東日本大震災被害により、放射性物質の放出が報道されています。放射線とは何か。またどのように人体に影響するのか。その概要について関連する核酸研究と併せてNPO法人KYG協会(宇住晃治理事長) に緊急解説をして頂きました。
【1】放射線の人体への影響について
放射線について
私達は日常生活の中で太陽光線をはじめ宇宙・大地・大気・食物など様々なものから、絶えず自然放射線を受けて暮らしています。そして、地球に生きる私たちは、進化の過程で放射線に対する防御機能を身につけてきました。
放射線とは、一般的には電離性を有する高いエネルギーを持った電子波や粒子線のことを指します。身近な放射線としては、太陽光線を通して地球に届いているもののほか、レントゲンやエックス線写真などもそれにあたり、発電はもとより医療や工業の分野にも応用され、私たちの生活に活かされています。
高いエネルギーを持ち大変有用な放射線ですが、そのエネルギーの高さから、一度に多くの量を浴びると、人体に影響を及ぼします。放射線の遺伝子損傷のメカニズムには「直接的な損傷」と「間接的な損傷」の2つがあります。
- 【直接的な損傷】
- 強い放射線や大量の紫外線を浴びたような場合であり、放射線が直接遺伝子に作用して切断してしまうことをいいます。
- 【間接的な損傷】
- 放射線が体内の水分に作用して活性酸素(ヒドロキシラジカル)がつくられ、その活性酸素が遺伝子DNAを損傷させるものです。
前者では、もともと体に備わっている遺伝子の修復能力が追いつかず、脱毛や白血球の減少、がんの発症など様々な問題がおこる場合がありますが、国内の現状では、放射線従事者などが事故により被爆するといった場合のことであり、一般の人にはほとんどありません。
健康に影響のない放射線量
放射線量を表わす単位は放射線を出す放射性物質に注目した単位(ベクレル)と放射線を受けた方に注目した単位(シーベルト)の2つに大別されています。
ベクレルは1秒間に放射性物質が壊れる数を表わす単位で、シーベルトは人体への影響を表わす単位です。シーベルトにはミリとマイクロがあり、1ミリシーベルトは1千マイクロシーベルトです。
私達は自然界から1人あたり1年間に世界平均2.4ミリシーベルトの放射線を浴びていて、健康に影響の出ない年間の被爆線量は100ミリシーベルトを超えないことが目安になっています。
被ばくした放射線量が高いほど数年後から数十年後にがんになる危険性が高くなると考えられていますが、その危険性は、例えば100ミリシーベルトの放射線量で0.5%程度です。これは、喫煙や食事などの生活習慣を原因とするがんの危険性よりも数十分の一程度低い値で、過度に心配する必要はありません。
放射線の人体への影響と生体防御機能
放射線は自然放射線として色々なものから受けていますが、日本では放射線量は厳密に管理されていますので、健康を害するような放射線を浴びることはほとんどありません。
生体には活性酸素などから遺伝子を守る抗酸化機能や損傷した遺伝子を元通りに修復する遺伝子修復機能などが備わっていますので、低線量の放射線であればこれらの機能がしっかりしていれば放射線の害を防げることになります。
生体の持つこれらの機能を高め、放射線を防御するためには食物、特に核酸・核たんぱく質が重要な働きをしていることが報告されています。
【2】今必要な核酸のはたらきについて
核酸の抗酸化作用
核酸・核たんぱく質は尿酸に代謝されますが、京都大学の松下博士らの研究や食品中の発がん性物質を調べる方法を開発したカリフォルニア大学のエイムズ博士らの研究によると生体内の物質の中で尿酸が最も抗酸化能が高いことや核酸成分はビタミンEなどより抗酸化作用が高いことを報告しています。
また、遺伝子栄養学研究所が行ったビタミンE、C、A、カテキン、ポリフェノールなどの抗酸化の研究によっても核酸の抗酸化作用が一番優れていることが明らかにされています。
核酸の放射線防御作用
核酸の放射線照射に対する防御作用は、国内外で論文が発表されています。
放射線照射マウスを用いた研究では、核酸食を与えたマウスの腸管ではIgA* 生産量が増加することや、体重が早く回復すること、またプリンヌクレオチドのIMP* 、GMP* 、cAMP* の投与により放射線照射からの足の皮膚や構造などの防御活性がみられることなどが報告されています。
核酸はこれらの他にもDNA成分が化粧品などにも使われていて、紫外線防御機能はもちろんのこと、放射線の防御機能も期待されています。これはDNAを塗布すると紫外線や放射線が塗布したDNAを壊すことによって、細胞の中のDNAが壊されるのを防いでいると考えられています。
- *IgA:
- (免疫グロブリンC) 粘膜における局所免疫機構の一つで、感染防御に関与する(以下、いずれも核酸関連物質)。
- *IMP:
- (イノシン酸)うま味物質。プリンヌクレオチド代謝の中間体物質。
- *GMP:
- (グアニル酸)ヌクレオチド代謝の中間体物質。IMPを経て生成される。
- *cAMP:
- (環状型アデノシン一リン酸)ATPから合成される。外界からの情報を伝えるセカンドメッセンジャー。細胞の多彩な機能を調節する。
関連論文の紹介
「核酸投与群において、放射線照射による炎症様症状が早期沈静されたことが示唆された。(中略)核酸は臨床において免疫栄養素としてさらに多くの病態に利用できる可能性が高く、今後もさまざまな基礎および臨床研究を進めることが必要である。」
『経口ヌクレオシド/ヌクレオチド+ヌクレオプロタミン混合物サプリメントによる放射線照射マウスの腸侵襲に及ぼす効果』P236より
著者:小野香、酒井徹、山本茂、小越章平、宇住晃治、松永政司
出典:「J・JSMUFF(機能性食品と薬理栄養)Vol.4,pp:231-237,2007」
- 参考:
- 放射線の人体への影響、及び放射線被曝に対する核酸の働きについて(KYG協会)
- 緊急時の生活面での健康防衛策
- 放射性物質は細菌などのように体の表面に付着すると手などを介して口に入りやすいといわれていますので、皮膚を覆う服装やマスクなどで覆う、外出を極力控えるなどの対策が必要になります。
- 食生活や生活習慣での注意
- 食生活面では抗酸化栄養素を含む緑黄色野菜やヨウ素を含む海藻類、核酸を豊富に含む食品(但し、いずれも放射性物質の値には注意し汚染されていないもの)などをしっかりと摂取することが大切です。また、サプリメントなどを上手に活用することもおすすめです。





