ニュートリゲノミクス(栄養ゲノム学) Vol.2

このページを印刷する

人体最大の免疫システム 腸管免疫の働き

このところ、腸の免疫力強化が叫ばれています。なぜなら腸には人体最大の免疫システムがあるのです。腸の免疫機能のしくみを理解して、健康に対する意識を高めましょう。

免疫機能は白血球が担っている

1. 免疫細胞について
免疫機能は白血球が担っている
免疫機能とは、生物が自己を病気などから守るしくみのことをいいますが、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの「異物」を排除する役割を担っているのが、白血球です。
白血球にはさまざまな種類があり、それぞれが協力し合って病気になるのを防ぎ、体を正常に保っているのです。

人体最大の免疫器官 腸の重要性

2. 腸管免疫のしくみ(1)
人体最大の免疫器官 腸の重要性
免疫システムに欠かせないリンパ球。実は体内に、このリンパ球の約6〜7割が集中している部分があります。それは“腸” です。
腸は毎日摂り入れる食べ物を消化吸収していますが、食べ物には細菌などの異物が含まれています。多くの細菌は唾液中の成分や胃酸などによって死滅しますが、腸の中まで侵入してくるものもいるのです。これを排除する腸の免疫系は「腸管免疫」と呼ばれ、人体最大の免疫系です。

栄養素と腸の複雑な関係

3. 腸管免疫のしくみ(2)
栄養素と腸の複雑な関係
腸管免疫の高度なシステムは、その識別機能にあります。すべての食べ物の成分が異物とみなされて免疫機能が働いたとしたら、私たちは栄養素をとり入れることができません。そこで腸の免疫系では、とり込まれたものが安全であると認識されると、「経口免疫寛容」というしくみが働きます。

腸管免疫のしくみと働きを知ろう

4. 腸管免疫のしくみ(3)
腸管免疫のしくみと働きを知ろう
小腸の繊毛のところどころにあるドーム型をした「パイエル板」が腸管免疫の司令塔です。腸から体内に侵入した細菌などの異物は「M細胞」と呼ばれる見張り役の細胞にとり込まれたあと、樹状細胞にとり込まれたり、マクロファージによって分解され、その情報がヘルパーT細胞に伝えられます。
この情報がヘルパーT細胞に伝わると、B細胞によって新たな異物の侵入を防ぐ抗体(IgA)が作られます。この一連の反応によって、私たちの体が守られているのです。

善玉菌を増やして腸内環境を整えよう

5. 腸管免疫と腸内環境
善玉菌を増やして腸内環境を整えよう
腸管免疫と関係している大事な要素としては「腸内細菌」の存在が挙げられます。腸内細菌は免疫寛容によって排除されずに“共生”している善玉菌、悪玉菌、日和見菌などに分けられます。
免疫力を高めるには、腸内のビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やすことが大切です。善玉菌を増やすには、乳酸菌を含む発酵食品であるヨーグルトや、ビフィズス菌を増やすオリゴ糖などを摂取するとよいでしょう。